宮藤官九郎が、企画・監督・脚本を手がけるドラマ『季節のない街』が、ディズニープラスのコンテンツブランド「スター」で、2023年8月9日(水)16時よりついに全10話一挙独占配信がスタート!
本作は、宮藤が長年温めてきた企画で、山本周五郎の小説「季節のない街」を映像化。この小説は、黒澤明監督が映画化し、『どですかでん』のタイトルで1970年に公開されたことでも知られる不朽の名作。誰もがその日の暮らしに追われる、裕福とはいえない“街”を舞台に弱さや狡さを隠さずに逞しく生きる、個性豊かな住人たちの悲喜を紡いだ物語。この傑作小説をベースに、本作では、舞台となる「街」を、12年前に起きた“ナニ”の災害を経て建てられた仮設住宅のある「街」へ置き換え、現代の物語として再構築。希望を失いこの「街」にやってきた主人公が、「街」の住人たちの姿に希望をみつけ、人生を再生していく青春群像エンターテイメントとして描く。
宮藤が、映像作品の監督を手がけるのは映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(16)以来。本作『季節のない街』を支えるスタッフには、第一線で日本の映像界を支えるスタッフが揃った。宮藤とともに、監督を務めるのは、『いとみち』などの横浜聡子、『ドライブ・マイ・カー』に監督補として参加した渡辺直樹、そして、音楽には「あまちゃん」「いだてん〜東京オリムピック噺〜」など宮藤脚本の作品のほか、「エルピス」の音楽も手がけた大友良英、撮影には『ある男』『万引き家族』の近藤龍人、美術に『すばらしき世界』などの三ツ松けいこ、そして衣装には、多くのアーティストのスタイリングを担当し、宮藤作品にも多数関わる伊賀大介が参加している。
企画・監督・脚本:宮藤官九郎 コメント
黒澤明監督作品の中で『どですかでん』がいちばん好きで、その原作小説『季節のない街』に20歳で出会い、その昂ぶりのまま演劇を始めました。以来、事あるごとに原作を読み、なぜ黒澤さんはこのエピソードを削除し、あのエピソードを膨らませたのだろう、という疑問が沸き始めました。そもそも短編集なので1話完結の連続ドラマになるんじゃないか?(…と思ったら60年前に森繁久彌主演でドラマ化されてました)とか、現代に置き換えるなら、舞台は仮設住宅かな?とか、電車バカの六ちゃんは誰がいい?とか、伴淳三郎さんの役はあの人?田中邦衛さんの役はアイツしかいないとか、そんな妄想を抱きつつ30年、無理だよな、無理なんだろうな、と諦めかけていたところに、ディズニープラスさんが面白がってくれて日の目を見ました。
びっくりするくらい素晴らしいキャスト、最高のスタッフ、びっくりするくらい寒暖差の激しいロケ地、怖いほど条件が揃ってしまったので、失敗は許されないというプレッシャーと闘いながら、二ヶ月半のロケは夢のように過ぎていきました。どうしよう。今回は自信がある。紛れもなく、いちばんやりたかった作品で、これを世に出したら、自分の第二章が始まるような気がしています。世界中の人に観てほしいので拡散お願いします。
作品情報
『季節のない街』
■原作:山本周五郎「季節のない街」
■企画・監督・脚本:宮藤官九郎
■出演:池松壮亮、仲野太賀、渡辺⼤知/三浦透⼦、濱⽥岳/増⼦直純、荒川良々、MEGUMI、⾼橋メアリージュン、⼜吉直樹、前⽥敦⼦、塚地武雅、YOUNG DAIS、⼤沢⼀菜、奥野瑛太、佐津川愛美/坂井真紀、⽚桐はいり、広岡由⾥⼦、LiLiCo、藤井隆、鶴⾒⾠吾、ベンガル、岩松了
【あらすじ】
”ナニ”から12年―― この街には、”ナニ”で被災した人々が身を寄せる仮設住宅があった。
今もまだ、18世帯ものワケあり住人が暮らしていたが、月収12万超えると「即立退き」とあって、皆ギリギリの生活を送っていた。主人公の田中新助こと半助は、街で見たもの、聞いた話を報告するだけで「最大一万円!」もらえると軽い気持ちで、この街に潜入する。だが、半助こそ ”ナニ”によって何もかも失い、ただ生きているだけの男だった。しかし、ギリギリの生活の中で、逞しく生きるワケあり住人らを観察するうち半助は次第に、この街の住人たちを好きになっていく。そんな中、仮設住宅が取り壊されるという噂が街に流れはじめるのだが……。